認知行動療法とは
認知とは「現実の受け取り方」「ものの見方」のことを言います。この認知の仕方は個人によって様々です。
ある出来事が起こったとき、人の心には瞬時に考えやイメージが浮かんできます。これを自動思考と言います。この自動思考によって感情が湧き起こり、それを元に行動を起こすようになっています。
認知行動療法は人のこういった出来事から行動までの思考の流れに着目した治療法です。
たとえば携帯電話をなくして、方々探しても見つからなかった場合、瞬時に思い浮かぶ考えやイメージは人によって異なります。
- 「きちんと鞄に戻しておけばよかった」と考えれば後悔し、憂鬱になります。
- 「一緒にいた人はなんで気付いてくれなかったんだろう」と考えると感情が怒りに変わってきます。
- 「大事な連絡先が全部入っている。もし情報を盗まれたりしたらどうしよう」と考えると不安や焦りが生まれます。
- 「とりあえず紛失届けを出して、携帯電話会社にも伝えておこう」と考えると心配事が減り、希望も持てるようになります。
このように、出来事を受け取った瞬間の自動思考によって、気分や次の行動が大きく変わってくるのです。
うつ状態のときの否定的な認知
うつ状態に陥っている時、人は自分と周囲と将来の3つに悲観的な考えを持ちやすくなるといわれています。
何かトラブルが起こると、自分がきちんとできていないせいだと考え、自分を責め、否定してしまいます。
また、周囲に対しても、自分のような人間と関わりたいと思っている人はいないだろうと考え、孤独感を感じるようになります。
将来に関しては、力のない自分には未来を切り開くことなどできないであろうし、仮にそのようなことができたとしても人に迷惑をかけるのかもしれない。辛い状況だが自分が耐えていれば他の人には迷惑がかからないので我慢するしかない。と考え、悲観的になってしまいます。
認知行動療法では、こういったパターンから抜け出せるよう、自動思考の幅を広げ、周囲に押し付けられた思考方法ではなく、自由な考えで自分らしく生きていけるように、サポートを行ないます。
認知行動療法の進め方
認知行動療法では原則として30分間ほどの面接が16〜20回に分けて行なわれます。集団認知行動療法になると、集団でセッションを行なったりして治療を行ないます。
症状によって面接の回数を加減したり内容を見直すことが可能ですので、主治医や担当のスタッフと相談しながら進めていきます。面接の内容は段階を追って変わって行きます。
ストレスに気付いて問題を整理する
まずは何にストレスを感じているのかを、身の回りのあらゆる問題から洗い出して行きます。
感情を知る
問題が起こった状況を分析し、それがどんな感情につながっているのかを調べてみます。
自動思考の影響を知る
自動思考(考え方)が感情や行動にどんな影響を与えているのかを調べてみます。
くせに気がつく
自動思考にある一定のパターン(くせ)があることを、確認します。
現実と自動思考
自動思考の内容と現実との間のズレに気付き、より自由な視点で現実にそった自動思考が出てくるよう、練習をします。
応用
自動思考の内容が以前と変わってきたと感じたら、問題を解決する方法や人間関係を改善する方法を練習してみます。
ご紹介した以外にも、治療や回復の過程によって注意する点も異なります。詳しくはかかりつけの医師などにご相談ください。
病気についての知識Knowledge of the disease
ご本人様向けの知識Knowledge for the parties
プログラム関連の知識Program-related knowledge
リワークの知識Knowledge about rework
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