私はおよそ十五年前にうつ病と診断されました。それから良くなったり悪くなったりを繰り返していました。会社も何度か休職しました。病院で投薬やカウンセリングの治療を受けましたが、なかなかよくならなかったのです。長い間、うつ病で悩んでいる方にお伝えしたいことがあり、今回、個人の体験を書かせていただくことにしました。
1. 調子悪かった
主に投薬の治療を受けていたのですが、良くなっても、またぶり返すことを繰り返していました。薬をいろいろ取り換えるなどして、一通り試してみたのですが、状況は相変わらずでした。
そのような時、主治医の先生から「リワークに通ってみたらどうですか?」とお話がありました。家族からも勧められました。正直、はじめは乗り気ではなかったのです。しかし、やれることは何でもやってみようと思い、思い切って「リワーク楽」に電話をしたのです。
2. リワーク参加
最初は、週一回、半日からのスタートでした。リワークのない日は、家に閉じこもりがちで、倦怠感から横になっていることもしばしばありました。それから徐々に参加する頻度が増えていき、週五日、終日というペースになりました。この時期も気分の沈み込みや倦怠感、意欲低下などの症状は依然としてありました。 リワーク楽では、個人で課題や問題集、自己洞察に取り組む個人ワークがあります。また、グループで課題に取り組むグループワークもあります。心理教育や認知行動療法、アサーションといった講義を受けるスタイルの活動もあります。集中力や思考力を向上させるための訓練になりました。また、趣味講座やヨガ体操といった、コミュニケーションを深めたり、リフレッシュをしたりというプログラムもありました。
3. 体調に変化が
通い始めて三か月経った頃から、症状が軽くなってきました。メキメキと良くなってきたと感じ、自分でも驚きました。気分の落ち込みや、倦怠感が減り、活力が湧いてきたのです。スポーツジムやサウナ、コンサートなどにも行けるようになりました。
4. なぜ元気に?
リワークでは、毎日の行動を生活チェックとして記録します。日々の自分の行動に向き合っていると、生活のリズムが整ってきました。家に閉じこもりがちだったのが、毎日決まった時間に外出するようになったのも、良くなってきた要因だと思います。
心理教育や認知行動療法、アサーションの講義を受け、知識が増えたことも良かったと思います。
三か月経った頃「趣味プレゼン」という、自分の好きなことを参加者の前で発表するというプログラムがありました。当時の自分には少々緊張をともなう課題でしたが、頑張ってやってみることにしました。結果、無事やり終えることができ、自信になったことも大きかったと思います。他の人の発表も楽しんで聞くことができ、色々なことに興味がわいてきました。 リワークで色々な人と会話・交流をするようになり、このことでも気分の落ち込みが改善したと思います。
5. あなたも元気に
私はリワークに通って症状が良くなりました。家族など周囲の人からも「元気が出てきた」と言われるようになりました。
リワークの中で役割を与えられて、やる気や行動力が出てきました。これは、実際の仕事に比べると負荷は少ないですが、復職へ向けての準備として有効だと思います。
認知行動療法やアサーションの講義を受けて、自分の思考・行動パターン、考え方の癖に気づくことができました。もちろん自分と向き合って、自分を知ったといっても、急には変われません。これからどんどん行動して改善していきたいと思っています。
十五年来のうつ病の症状が改善し、スタッフの方々や他の参加されている方々にとても感謝しています。 あくまで私個人のケースですが、いろいろなお薬を試しても良くならなかったものがメキメキと改善したのです。 現在うつ病で悩んでいる方は、本当に人それぞれで、一概にリワークで良くなるかは分かりません。ただお薬やカウンセリングだけで良くならなかった方で、リワークに参加することで快方に向かうことがあるかもしれません。可能性のひとつとして頭の隅に置いてみてはいかがでしょうか。私の体験がすこしでも参考になれば幸いです。
掲載日:2022年06月29日