私がリワークRAKUに通い始めたきっかけは、職場の復職に必須だったからです。復職したいと産業医に告げた時、リワークに週5日、3ヶ月通わないと復職できないと告げられ、産業医からはPTSDなので、過去を思い出してほしくないからリワークは賛成できないと言われ、非常に憤っていました。仕事を辞めたいけれど転職する勇気も元気もなく、こんな状態になったのは職場のせいなのにと、ずっと怒っていました。休むのなんて恥だから、早く復帰しなければと、焦りと不安でいっぱいでもありました。しかし、リワークなんて通って何になるの?と思いながら、渋々行った見学で「でもリワークに通ったところで、性格は変えられませんよね?」と聞いた私に、スタッフさんは「性格は変えられないけど、行動は変えられるよ」と言ってくれました。その正直でありながらも希望の持てる言葉で、私は前向きな気持ちで通い始めることができました。
しかし、2回参加しただけでベッドから起き上がれなくなり、ひと月中断することになってしまい、焦っていた私はとてもショックを受けました。もう以前のようには働けないかもしれない。働かないと食べていけないのに。自分はこんなにも無能で弱かったのか。そんなの受け入れられない。もう全て諦めたい。楽になりたい。ずっとそんなことを思って泣いてばかりいました。泣く元気すらない日もあり、本来の自分がどんな人間だったかもわからなくなっていました。
そんな私に、スタッフさんは根気強く声を掛続けてくれました。動けないと落ち込んでいた時は「あなたはまだ本当の休養をしていない。今はずっと寝てていい。好きなだけ寝てなさい」。その後もブレーキをかけた方がよい時、動いた方がよい時など、私の状態を見ながらいつもそっと背中を押してくれました。私はストレスを無視する癖があったため、自ら相談に行くことがなかなかできなかったのですが、朝の気分チェックやプログラムでポロッと言ったことに対して、アドバイスやフィードバックをくれることが、課題や認知の歪みに気づけたり、実はできるようになっていることがあったりと、様々な気付きを得られました。
また、集団行動に苦手意識があり、始めはリワーク参加に不安や緊張を抱いていましたが、参加者の皆さんはコミュニケーションスキルを磨く練習をしているため、アサーティブに話しかけてくれて、授業中のみならず休み時間などにも積極的にコミュニケーションを図っているメンバーが多く、対人交流による刺激で徐々に本来の自分を取り戻していきました。
しかし、元の自分に完全に戻ってしまったら、再発のリスクが高まります。新しい自分とまでは難しくとも、元の自分+αの自分になれるよう、『こだわりを手放し、100%を目指さない』を課題として、マインドセットではなく、どのような行動に置き換えればこの課題を達成できるか、トライ&エラーを繰り返していきました。努力してるつもりでも、結果がでない、思うように努力できないなど苦しい場面もありましたが、徐々にがんばらない自分を受け入れられるようになりました。
通所期間は自分が思っていたものより遥かに長くなりましたが、その分、じっくりと休養と再発防止に取り組めました。焦りから解放されて、本当の心身の休養を得られてからが真のスタートなのだと、今ならわかります。このHPを見ている方も、焦りや不安でいっぱいかもしれません。リワークに通って何か変わるのかと、疑念もあると思います。変われるかどうかは自分の行動次第です。ぜひ勇気を持って、一歩踏み出してほしいです。
掲載日:2025年02月21日